セノーは1908年の創業以来、日本のスポーツの発展とともに100年を超える歴史を刻んできました。この長年にわたる歩みは、セノーならではの品質へのこだわりがあってからこそだと思います。2012年にMIZUNOグループの一員となってからも変わることはありません。私自身、学生時代はバレーボール部に所属し、社会人になってからも選手としてコートに立っていましたので、セノーのスポーツ器具の素晴らしさは体験を通じて理解したつもりです。現在、納品先の約7割※を全国の公共施設や学校などが占め、バスケットゴールなどの体育器具については国内シェア約6割※を誇っています。また、社長という立場になって改めて実感するのは、このような品質と信頼は、社員一人ひとりの想いの結集によって実現されているということ。製造はもちろん、販売、開発、メンテナンスまで、経験豊富な社員たちが「より良い安全なスポーツ環境を届けたい」と思い、それぞれの業務を通じて日々実践しています。※ 当社調べ
セノーの仕事は、スポーツ器具を開発・製造し、施設に設置して完了というものではありません。いつまでも「安心・安全」に利用していただけるように、充実したメンテナンスサービスを提供しています。近年、我が国では公共インフラの老朽化が社会課題となっていますが、それはスポーツ施設でも同様です。セノーでは、お客様ごとにきめ細かな点検や改善などをご提案しているほか、地震被災地の公共体育館などを訪問し簡易点検を実施しています。セノーの信頼は、このように地道に積み上げてきた「安心・安全」の取り組みによって支えられています。
セノーは、スポーツ器具で培った経験とノウハウを活かし、健康・フィットネス事業にも力を注いでいます。フィットネスジムやリハビリテーション病院、介護施設などにトレーニング器具やリハビリ器具を提供するだけでなく、施設などの企画から運営管理までトータルな提案を行っています。SDGsにおいても「すべての人に健康と福祉を」という目標が掲げられているように、健康はサステナブルな社会の実現に向けて欠かせないテーマです。なかでも少子高齢化が進む我が国では、健康寿命を伸ばしていくことが重要な課題となっています。セノーでは、「人生100年時代」を見据え、MIZUNOグループとも連携して「カラダ100年プロジェクト」を進めています。健康・フィットネス事業の拡大に取り組むとともに、これらの事業を通じて健やかな社会づくりに貢献していきます。
我が国の社会は、コロナ禍という事態を経て、ますます将来を見通すのが難しい環境になっているように感じます。このような時代において、セノーが次の100年の歴史を築いていくことは容易ではないかもしれません。しかし、だからこそスポーツを支える企業らしいチャレンジングな姿勢が大切になると考えています。MIZUNOグループに脈々と受け継がれるDNAに「ええもんつくんなはれや」の精神があります。私は、セノーがこれまで実践してきたことも、そして今後目指すべき姿もこの言葉に象徴されていると思っています。セノーは、限界に挑むアスリートやスポーツをこよなく愛する人、そして健康な生活を願う人たちのために、よりよい製品と環境の実現に努めていきます。
競技施設分野は現在の国内6割のシェアをしっかり守り、磨きをかけ、さらに国内で築き上げてきた力を海外の多くの国にお届けし貢献していきたいと考えています。またフィットネスの分野では少子高齢化、高齢者の健康寿命延伸という課題にしっかりと向き合い、競技者のみならず高齢者の方々にも喜んでいただく効果のある製品の開発をしていきます。
コロナ禍において健康づくりのかたちは多様化しました。「家庭でひとりでもできる」というニーズがより一層高まる中、セノーはホームフィットネス製品開発への取り組みを進めています。
一方で、コロナ禍で一時規制されてしまった「人とのつながり」を重要視し、スポーツジム等で健康づくりをしたいと思う方も増えてきています。器具といったハードだけでなく、運動プログラムなどソフトと融合させ、世の中の変化に柔軟に対応し、国民の健康向上への貢献を目指していきます。
セノーグループ社員およびセノーの入社を希望する方々に常々期待している人材像は3F(Fighting Spirit, Fairplay, Friendship)・3S(Speed, Simple, Smile)です。この要素をしっかりと磨いてくだされば、スポーツ企業の社員として大きな活躍ができると思います。